【実額】保護猫を迎える費用|40代独身・3匹で11万9千円

保護猫・猫活動

「保護猫って、結局いくらかかるんですか」

答えを先に言います。譲渡費用そのものは15,000〜40,000円ほど。ただ、これは総額のごく一部です。一人暮らしなら、ここに審査を通すための備品代が乗ります。賃貸なら住居側で増えるお金もあります。

この記事を書いているのは、40代独身。一軒家で保護猫3匹(ルイ・ルル・翔)と暮らしています。共働きではありません。ひとりの収入で3匹です。だから「愛情があれば大丈夫」では終わらせず、出ていく金額を項目ごとに分解します。安くも見せません。むしろ、迎えたあとで効いてくる費用を先に書きます。

保護猫1匹の初期費用|譲渡費だけを見ていると足りない

保護猫を迎えるお金は大きく4つ。うちの実額は3匹で約119,000円

最初に一括で出ていくお金は、大きく「譲渡費用」「医療費」「物品費」の3つです。

譲渡費用は15,000〜40,000円が相場

認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンのピースニャンコは15,000〜40,000円、ienekoは20,000〜50,000円としています(いずれも2026年8月14日確認)。

「保護猫なのになぜお金がかかるのか」と思うかもしれません。中身は寄付ではなく、その子にすでに使われた医療費の実費です。

医療費の内訳

内訳を明示している団体のほうが、医療処置が済んでいる分だけ迎えたあとの出費が少なくなります。金額だけを見て「高い」と判断しないでください。

なお不妊去勢には助成金があります。日本動物愛護協会はメス10,000円・オス5,000円。ただし飼い猫や譲渡予定の猫は対象外で、自治体の制度は事前申請が必須のことが多いです。すでに手術済みで譲渡される場合、あなたが使う場面はありません。

うちの実額:3匹合計で約119,000円
ルイ・ルル・翔の3匹を迎えるまでに出ていった総額です。不妊去勢手術の費用や3種混合ワクチンなど、医療費を含めてこの金額でした。1匹あたりにならすと約4万円。上に書いた相場の範囲に収まっています。
正直に書くと、項目ごとの内訳は手元に残っていません。「譲渡費がいくらで、物品費がいくら」という記録をつけていませんでした。これから迎える人は、最初の1か月分のレシートだけでも1か所にまとめておくことをおすすめします。あとから「何にいくら使ったか」を振り返れます。

毎月いくら出続けるか|統計値と、うちの実支出のズレ

初期費用より効いてくるのが月額です。

ペットフード協会の調査をまとめたLIMOの集計では、猫1匹の月間飼育費は11,865円。うちフード代が6,474円です(2025年)。アニコム損保の調査では年間支出195,427円、うち治療費が47,130円です。

この治療費47,130円という数字を、平均だからと軽く見ないでください。年によってゼロの年と、一気に跳ねる年に分かれます。ならして47,130円なのであって、毎年きれいに5万円ずつ出ていくわけではありません。

うちの実額:3匹で月10,000〜12,000円
フード・猫砂・ペットシーツを合わせた金額です。
お気づきかもしれませんが、統計値と大きくズレています。さきほどのLIMOの集計は1匹あたり月11,865円。単純計算なら3匹で35,000円台になるはずですが、うちは3匹合わせてその3分の1ほどです。
理由をごまかさずに書きます。うちには食が細い子がいて、そもそも食べる量が少ないのが大きいです。食べる量は猫によってまったく違います。なのでこの金額は「3匹ならこれで足りる」という意味ではありません。これから迎える人が予算を立てるときは、統計値の11,865円で見ておくほうが安全です。少なく見積もって足りなくなるより、多めに見て余るほうがいい。

やることは一つです。猫の費用を「余ったら払う」にしない。給料日に固定費として先に引いて、別口座に移す。これだけで判断が楽になります。

保険に入るかどうかは別の話なので、猫のペット保険は必要かに書いた結論をどうぞ。

一人暮らしの40代が審査で聞かれること|通すための出費

ここが、他の記事があまり書かない部分です。

「一人暮らしの男性はお断り」という文言を見て、手が止まった人もいると思います。
先に整理します。審査は人格を測るものではありません。条件を満たしているかの確認です。感情の問題として受け取ると動けなくなります。項目として一つずつ潰していきましょう。

聞かれるのはこのあたり

  • 留守にする時間の長さと、その間の環境
  • 緊急連絡先/身元保証人
  • 自分に何かあったときの預かり先
  • 収入の安定性と住居がペット可かどうか

「身元保証人を頼めるのが高齢の親しかいない」。そういう人は多いはずです。
その場合でも、勤務先の在籍証明や貯蓄額の提示で代替を相談できる団体はあります。聞く前にあきらめない。

留守番対策は「愛情の証明」ではなく審査項目への回答

ペットカメラ、自動給餌器、自動トイレ。これらは気持ちを示すために買うのではなく、留守中どうするのかという質問に対する具体的な答えとして用意します。

うちが買ったもの:ペットカメラ 約7,890円(楽天で購入)
機種名は記録に残っていないので書けません。値段だけで言えば、8,000円しない買い物です。
買ってよかったかというと、これははっきり「よかった」です。ただ、理由は審査対策ではありませんでした。普段は見られない姿が見られるのが、単純にうれしい。安心感がお金以上に大きい買い物でした。
選び方で迷うなら、家電選びは価格.comで90点に書いたのと同じで、ランキングを見て決めれば十分です。比較に時間をかけすぎて買わないほうが、よほどもったいない。
いっぽうで自動給餌器は、うちでは使っていません。「必要そうに見えるけれど、うちの場合は要らなかった」もののひとつです。留守の長さや猫の食べ方によって答えが変わるので、全部そろえてから迎えようとしなくて大丈夫です。
申し込み前の自己チェック
□ 契約書でペット可と頭数を確認したか
□ 緊急連絡先を1人以上書けるか
□ 預かり先を具体名で言えるか
□ 留守時間に対する設備の答えを用意したか
□ 初期費用+住居分を一括で出せるか

賃貸で迎える人が見落とす出費|敷金と退去時の目安

先に正直に書きます。うちは持ち家の一軒家なので、賃貸の敷金も退去費用も払った経験がありません。
経験していないことを、さも自分が通ったかのようには書けません。ここだけは体験談ではなく、公的な基準と全国の目安として読んでください。

そのうえで、これは伝えておきたいことです。賃貸で猫を迎えるなら、猫用品より住居側のお金のほうが大きくなりがちです。猫の費用しか計算していないと、必要額を読み違えます。

入居時と退去時の全国的な目安

  • ペット可の敷金は家賃2か月分程度が目安LIFULL HOME’S)。家賃6万円台なら、それだけで十数万円です
  • クロスの張り替え(居室6〜10畳)… 4万〜7万円程度/柱の浅いキズ … 2万円程度/尿のシミ … 5万円程度(同上)
  • 脱臭・ハウスクリーニング(1DK・1LDK)… 4万〜6万円程度(同上)
  • 頭数制限は物件ごとに違います。契約書を見れば書いてあります

もうひとつ、知らないと損をすることがあります。経年変化や通常の使用による傷みは、借りている側が直す義務を負いません国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)。請求書を見て「これは経年劣化では」と思ったら、確認していいということです。

退去費用の内訳はこの記事に収まらないので、賃貸×猫の退去費用相場に分けてまとめてあります。

賃貸でも持ち家でも共通して言えることが、ひとつだけあります。柱と、壁の下半分を、最初から守っておくこと。あとから直すより、先に隠すほうが圧倒的に安く済みます。うちも柱をやられてから対策したので、これは実感として書けます。

2匹・3匹で費用は3倍になるのか|増えるものと増えないもの

3匹になっても月額は3倍にならず、およそ2倍だった

結論から言うと、単純な3倍にはなりません。ただし「だから飼える」という話ではないので、増える項目から先に出します。

頭数分そのまま増えるもの

フード、医療費、ワクチン、保険料。ここは容赦なく比例します。特に医療費は突発的に跳ねるので、頭数が増えるほど上振れの幅も広がります。

増えるが、比例はしないもの

猫砂、トイレ、爪とぎ、キャリー。トイレは「頭数+1」が目安です。爪とぎの数え方は猫の爪とぎ何個必要かで3匹の実例を書いています。

ほぼ増えないもの

住居費、光熱費、ケージ、キャットウォークなどの設備。キャットウォークDIYは1台で3匹が使っています。

うちの実測:1匹のときと比べて、月額は約2倍
3匹で月10,000〜12,000円なので、1匹だけだった頃はおおよそ月5,000〜6,000円でした。3匹になっても3倍にはならず、2倍で収まっています。
増えなかったのは住居費・光熱費・キャットウォークなどの設備。増えたのはフードと猫砂です。
ただし、これは毎月の固定費の話で、医療費は別です。医療費は頭数分そのまま増えますし、突発的に跳ねます。「3匹でも2倍で済む」とは読まないでください。うちがたまたま食の細い子を含む3匹だった、というだけの数字です。

自分が倒れたら猫はどうなるか|先に決めておくこと

最後に、金額よりも先に片づけておくべきことを書きます。

治療費の平均は年47,130円ですが、平均額では足りません。尿路閉塞や慢性腎臓病のように、数十万円単位になる治療があります。だから生活費とは別の口座に、触らない額として隔離しておきます。

そのうえで、迎える前に決めて、できれば書き残しておくこと。

  1. 自分が入院・転勤したときの預け先(具体名で)
  2. その費用を誰が負担するか
  3. 連絡の手順と、鍵を渡せる相手
決めていない状態で迎えることが、いちばん大きなリスクです。これはお金の問題ではなく手続きの問題なので、先に終わらせられます。

飼い主側の保障については40代独身が医療保険を見直した話に書きました。猫のことを考えると、自分の保障の抜けも見えてきます。

なお、猫の健康や治療の判断は必ず動物病院で相談してください。保険や税の判断も、必要に応じて専門家に確認を。

よくある質問

保護猫の譲渡費用は無料ではないのですか

無料はほぼありません。相場は15,000〜40,000円(別ソースでは20,000〜50,000円)で、ワクチン・ウイルス検査・不妊去勢・マイクロチップの実費分です。内訳が明示されている団体のほうが、迎えたあとの出費は少なくなります。

一人暮らしの40代男性でも審査に通りますか

単身であること自体より、留守中の環境・緊急連絡先・預かり先・収入の安定を示せるかで決まります。通らなかった場合は条件が足りていないということなので、その項目を潰してから再度申し込めば済む話です。

3匹飼うと費用は3倍になりますか

なりません。フード・医療費・ワクチンは頭数分増えますが、住居費・光熱費・設備費はほぼ増えません。猫砂やトイレは頭数+1が目安で、比例よりゆるやかです。ただし医療費は突発的に跳ねるため、上振れ前提で見てください。

貯金からいくら医療費として残せばいいですか

年間治療費の平均は47,130円ですが、平均では足りません。数十万円規模の治療を想定して1匹あたりの最低確保額を決め、生活費と別口座に分けてください。

まとめ

保護猫を迎える費用は、譲渡費用15,000〜40,000円が入口です。そこに医療費・物品費・審査対策の備品代が乗り、賃貸なら住居の上乗せも乗ります。猫単体の費用だけを見ていると、必要額を読み違えます。

今日からできることは3つです。

  1. 賃貸なら契約書を開いて、ペット可か・頭数は何匹までかを確認する(持ち家なら次へ)
  2. 緊急連絡先と預かり先を、具体名で書き出す
  3. 猫の医療費として動かさない額を決めて、別口座を作る

この3つが埋まったら、譲渡会に行く準備はできています。

猫3匹(ルイ・ルル・翔)の日々は、こちらで毎日おすそわけしています。
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